仄暗いほど柔らかい

晴読雨読の日々をつらつらと...

古い文庫本特有のページのなんとも言えないペラペラ感と光沢について

最近オークションにてJ・P・ヤコブセンの「マリイ・グルッベ夫人」を購入したのですが、やはりこれだけ古いものだと大分劣化してヤケもあります。 ただ、この1ページの、最近の文庫本ページとは違う、そう、辞書のページの様なペラペラとした感じ!更にペー…

澁澤龍彦を読もう!

最近、澁澤龍彦訳のジャン・コクトー「大股びらき」、アルフレッド・ジャリ「超男性」、アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ「城の中のイギリス人」の三つの愛蔵版が白水社から発売された。凄く装丁が綺麗ですし、帯文も良い。 元々、澁澤龍彦という名前…

詩の解釈の正しさ / 詩の解釈の自由

何か思うところのあるような、直感的に、ああこの詩は好きだなあという詩の出会いは何度かあると思う。しかし、実際にその詩について調べてみると、その詩人研究のパイオニアが正しいであろう詩の解釈を示していて、自分の思い描いていたビジョンとは全く違…

詩人リルケを好きになると作家ヤコブセンも好きになる

今日はかなり涼しいです。多分気温22度くらいじゃないかな(体感)。 さて、リルケはプラハ生まれの詩人あるいは作家。後期の詩としては『ドゥイノの悲歌』や『オルフォイスへのソネット』。小説としては『マルテの手記』が有名で、ヤコブセンは小説『ニイルス…

スリップストリーム文学についてとそれを誰が書いているのか

今日は暖かく丁度良い陽気ですね。さて、昨日はアンナ・カヴァンの『氷』を読んだことをちらっと書いたのですが、この小説の序文における文頭で、 『氷』はスリップストリーム文学、それも、スリップストリーム文学に分類される中で最も重要な作品のひとつだ…

『失われた時を求めて』を小脇に抱えた九月二日 

八月が知らぬ間に終わってしまっていて、直ぐにでも年末の足音が聞こえてきそうで怖いですね。ところでこの夏を利用してプルーストの「失われた時を求めて」を読もうとしていたわけですが、何故か現在2巻の途中です。(全13巻;鈴木道彦訳のお洒落な装丁) こ…