仄暗いほど柔らかい

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古い文庫本特有のページのなんとも言えないペラペラ感と光沢について

 最近オークションにてJ・P・ヤコブセンの「マリイ・グルッベ夫人」を購入したのですが、やはりこれだけ古いものだと大分劣化してヤケもあります。

 ただ、この1ページの、最近の文庫本ページとは違う、そう、辞書のページの様なペラペラとした感じ!更にページ表面の光沢!(左画像で分かるでしょうか?)

 この、本を開いたときの本の柔らかさや、ページに触れたときのツルツル感は今の文庫本にはないと思います。上部にはもはや樹齢を感じる。

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 気になって調べてみると、今の文庫本には大抵中性紙が使われているようなのですが、1850年台から1980年くらいの時代は文庫本の紙に酸性紙が用いられていて、インクが滲みにくい性質があったようですが、空気中の水分と反応して硫酸になり、紙の主成分であるセルロースを破壊してしまうらしい。そのため寿命は50年ほどで、2,30年もすると劣化し始めるようです。因みに中性紙であれば寿命は150~200年程らしい。

 「マリイ・グルッベ夫人」の発行日を見てみると1955年でしたから、劣化が有って当然、というか寿命過ぎてますね笑