仄暗いほど柔らかい

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短歌ムック「ねむらない樹」で好きだったもろもろ

 短歌を知り、短歌を書き始めてからまだ二か月しか経っていない。それで今は歌集を読み漁っているのだけれど、今回この「ねむらない樹」を読んだらまた買いたい歌集が増えた。

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 この創刊号の特集「現代短歌100」はとてもよかった。一首一首にコメントが書いてあるから、自分が読んで分からなくても、ああなるほどほえーってなれます。

 

 現代短歌100から得に気に入った短歌を幾つか。

3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって    

                         中澤系

 何だか怖い。ある意味では善意が込められている様にも思える、だからこそこの鋭い言葉が怖く感じた。

月を見つけて月いいよねと君が言う  ぼくはこっちだからまたね 

                         永井祐

 上と下の転換のスピード感が面白い。

とても私。きましたここへ。とてもここへ。白い帽子を胸にふせ立つ

                         雪舟えま

 これ好きだ。とてもここへ。のような文としてはおかしいのだけど、そこから滲み出てくる彼女の高揚が素敵だ。たんぽるぽる収録。

 作品として掲載された短歌の中なら、蒼井杏さんと木下龍也さんの短歌が良かった。

 

 そもそもこのねむらない樹の根元には笹井宏之さんがいるわけだけれど、「ひとさらい」を読んだ時、なんて軽やかで愛おしくて心地よい短歌なんだろうと感じたことは記憶に新しいです。「てんとろり」や「七月のフルート奏者」も近いうちに絶対読もう。

 

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