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「雪国」や「伊豆の踊子」を楽しめなかった人に薦めたい川端康成作品5選!

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「雪国」や「伊豆の踊子」で有名な川端康成。しかし、読んでみたら全然よく分からない。これがノーベル賞なのか?そんな風に思った人もいるかと思います。
 今回はそんな人にもお勧めできる "面白い" 川端康成作品を紹介します。

 

 

1.みずうみ

みずうみ (新潮文庫)

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【内容】

美しい少女を見ると、憑かれたように後をつけてしまう男、桃井銀平。教え子と恋愛事件を起こして教職の座を失ってもなお、異常な執着は消えることを知らない。つけられることに快感を覚える女の魔性と、罪悪の意識のない男の欲望の交差――現代でいうストーカーを扱った異色の変態小説でありながら、ノーベル賞作家ならではの圧倒的筆力により共感すら呼び起こす不朽の名作である。

 

2. 花のワルツ

花のワルツ (新潮文庫)

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【内容】

バレリーナの友田星枝と早川鈴子の物語。
星枝はマイペースで天才型。
鈴子はそんな星枝にライバル心と一種のイライラ感を抱いていた。
弟子の関係を取り繕う竹内、その竹内はひとり身であり気を使うすずこ。
ある日、彼女たちにとっては兄弟子にあたる南条が日本に帰ってくることを知る。

 

3. 古都

古都 (新潮文庫)

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【内容】

捨子ではあったが京の商家の一人娘として美しく成長した千重子は、祇園祭の夜、自分に瓜二つの村娘苗子に出逢い、胸が騒いだ。二人はふたごだった。互いにひかれあい、懐かしみあいながらも永すぎた環境の違いから一緒には暮すことができない……。古都の深い面影、移ろう四季の景物の中に由緒ある史蹟のかずかずを織り込み、流麗な筆致で描く美しい長編小説。

 

4. 眠れる美女

眠れる美女 (新潮文庫)

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【内容】

波の音高い海辺の宿は、すでに男ではなくなった老人たちのための逸楽の館であった。真紅のビロードのカーテンをめぐらせた一室に、前後不覚に眠らされた裸形の若い女――その傍らで一夜を過す老人の眼は、みずみずしい娘の肉体を透して、訪れつつある死の相を凝視している。熟れすぎた果実の腐臭に似た芳香を放つデカダンス文学の名作「眠れる美女」のほか「片腕」「散りぬるを」。

 

5. 掌の小説

掌の小説 (新潮文庫)

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【内容】

唯一の肉親である祖父の火葬を扱った自伝的な「骨拾い」、町へ売られていく娘が母親の情けで恋人のバス運転手と一夜を過す「有難う」など、豊富な詩情と清新でデリケートな感覚、そしてあくまで非情な人生観によって独自な作風を打ち立てた著者の、その詩情のしたたりとも言うべき“掌編小説"122編を収録した。若い日から四十余年にわたって書き続けられた、川端文学の精華である。

 

以上5選になります。

 基本的に読みやすいものを選択いたしました。川端康成作品の中でも比較的ストーリー的でありながら、持ち味ともいえる文体、表現を楽しめると思います。

 個人的に特におすすめなのは「花のワルツ」です。ここには「イタリアの歌」「花のワルツ」「小雀」「朝雲」が収録されているのですが、花のワルツと朝雲がめちゃくちゃ良いです。朝雲に関してはラストの一文がこの上なく好きで、読み返す度にいいなぁと思えます。

 また「眠れる美女」も老人が相対する女たちの描写は、一人一人違う妖艶さを持っていて、どれも恍惚としてしまいそうな描写力に圧倒されます。同時に収録されている「片腕」もある女性から借りた片腕を抱いて眠りについていく様子が異常でありながら、魅惑的です。

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